くずまき型DMOを目指して〜くずまき観光地域づくり協議会設立〜

(9/21開催 第1回協議会総会報告資料より)

1 設立趣旨

これまで葛巻町は、先人のたゆまぬ努力により築き上げられた酪農やワイン、クリーンエネルギーといった土台を基礎に、町が持っている多面的機能と資源、人材を最大限に活用した町づくりを推進してきました。

一方で、町の人口は昭和35年の15,964人をピークに減少に転じ、平成27年の国勢調査では6,340人まで激減し、このままでは平成52年には3,300人まで減少するとした試算も出ております。

この、葛巻町における喫緊の課題である人口減少や若者の流出について、地域経済の観点から見ると、求人や産業別就業割合から、低所得・低給与水準等の課題をはじめとした「魅力ある仕事」の不足が大きな要因として挙げられます。

人口減少への歯止めや若者の移住定住を促進するためには、葛巻町が持つ牧場などの観光地や乳製品・ワイン等の特色ある地域資源を活用した観光産業の振興による外貨の獲得で地域経済の活性化を推進し、「魅力ある仕事」の創出を図ることが必要であります。

そのためには、地域住民自らが主体的に観光客を呼び込む「稼ぐ力」を引き出し、自らの地域への誇りと愛着を醸成する「住んでよし、訪れてよし」の豊かな地域づくりにより、住民の流出を防ぎ、ひいては観光客等を移住促進につなげていく全町一体となった取組みが重要であります。

つきましては、若者にとって「魅力ある仕事」を創出するために、中核団体となるくずまき観光地域づくり協議会を設立し、これまで行政、民間企業、住民等がそれぞれの立場で誘客等の活動をしてきたものを、協議会を中心に地域全体の合意形成を図り、関係機関との連携、各種データの収集分析に基づく誘客戦略の策定、民間のノウハウを活用した効果的なプロモーション等により誘客を図り、人口減少問題の課題を克服していこうとするものであります。

 

2 DMOとは

町づくりとともに地域住民が観光産業や行政と連携し、地域自らが誘客事業を行う着地型観光のプラットフォーム(組織、人材)で、これまでは、行政、観光関係者、地域住民がそれぞれの立場で活動してきたものを、観光地域づくり協議会を中心に地域全体の合意形成を行い、誘客や人材育成等のノウハウを持った民間企業へ事業を委託し、科学的なデータを根拠とする戦略を策定、民間主導の効果的なプロモーションや誘客を図り、観光産業を中心に地域経済の活性化を推進するものです。

また、DMO組織(まちづくり会社)自体も、事業実施などによる安定した自主財源を獲得し、地域における永続的な活動を図るとともに、地域のリーダーとなり得る人材の育成も行います。

 

3 組織、事業

(1) 組織(機能と役割)

  1. 葛巻観光地域づくり協議会
    • 町内の企業、関係団体、金融機関、住民、外部有識者、行政等で組織。
    • 全町的な合意形成のもと、観光による地域づくりの戦略策定等。
    • 町と連携し、事業検討部会からの提案事業や、人材育成に係る事業等の民間企業への委託。
  2. 事業検討部会(テーマ毎のワーキングループ)
    • テーマごとに関係者等により概ね10人程度で構成。特産品、移住・交流、若者・高校生、まちなか、観光プロモーション、スポーツツーリズムの6部会。
    • 事業検討部会ごとに専門家も交えてアイデアの磨き上げや事業化のための研究・検討を重ね、協議会への事業提案。
    • 受託企業は、指導や助言、一部部会にファシリテーター等の派遣を行い運営をサポート。
    • 研修も兼ねた人材育成の場としての役割も担う。
  3. 民間企業
    • 各種データ収集や分析による戦略素案の作成、人材育成や各種提案事業等の具体的な取組み。
    • 協議会、検討部会への提案や助言、調整等。
  4. 関係団体
    • 協議会及び事業検討部会への人材提供。
    • 協議会で実証された事業の実施等。
  5. 町民
    • 協議会及び事業検討部会への積極的な参画による地域の魅力向上や情報発信等。
    • 協議会への直接参画、協議会に対する事業費補助や運営アドバイスを行うほか、民間企業への事業委託なども行い、くずまき型DMO全体の統括と関係機関等との調整。